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歯のオアシス~PARTⅡ~ ブラキシズム、クレンチング・意外な難敵

歯や口が健康な高齢者が「固いものでも食べられます」と話す姿は幸せそうです。かむ力が強いことは、いいことですが、あまりにかむ力が強い人は注意が必要です。

硬いものを食べて、歯が欠けてしまうからでしょうか。もちろんそれもあります。でも、それはちょっと気をつければ避けられます。もっと心配なのが、無意識の歯ぎしり(ブラキシズム)やくいしばり(クレンチング)です。

力仕事やスポーツの時には、知らず知らずのうちに上下の歯をしっかりかみしめてしまうことがあります。また、日中のストレスが就寝中の歯ぎしりやくいしばりを引き起こすとも言われています。

物を食べる時と違って、こういう時の「かむ力」は自分でコントロールできず、トラブルの引き金になることがあります。歯の根っこが割れてしまったり、歯周病が進みやすくなったり、あごの関節に痛みが出たり。過剰な力が弱いところに害を及ぼします。

歯ぎしりもくいしばりも“頑張り屋さん”に多いようです。もう少し肩の力を抜き、リラックスを心がけてください。

診療室から

就寝中にブラキシズムやクレンチングをしないようにすることは困難です。原因として最も可能性が高いといわれている生活上のストレスを完全にとりのぞくことは不可能だからです。

従って治療は対症療法(症状の緩和のための治療)が中心になります。最もよく行われているのが「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースの使用です。

就寝中にこれを装着することで、「強すぎるかむ力」がトラブルを引き起こすことを防ぎます。また、自己暗示療法なども有効な場合があります。

                               2009.6.11 中日新聞三重版掲載