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歯のオアシス~PARTⅡ~ 口呼吸・歯並びに影響

子どもの笑顔を見ると心なごみますが、唇をキュッと結んだりりしい表情もなかなかいいものです。でも、そういう子どもを見かけることが少なくなりました。ポカンと口をあけている子が多い。

子どもたちの歯並びに注意を払う親が増えているのはいいことです。矯正治療も積極的に相談してもらいたいです。でもその前に、開きっ放しの口に気づいてほしいのです。

歯がきれいに並ぶのには理由があります。ほおや唇の筋肉、舌などがそれぞれに機能した状態で、力のバランスがつり合った所に歯は並ぶようになっています。始終、口が開きっ放しで、鼻よりも口で呼吸している子は、唇などの筋肉がうまく発達していません。

そうすると本来、歯を外側から抑えている力が弱くなるため、歯が前に出てきてしまいます。口の周りの筋肉は連携して働いていますから、そしゃくしたり飲み込んだりも、うまくできていないかもしれません。

口呼吸(こうこきゅう)は大人でも問題になります。口の中が乾燥するために、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。唇を軽く閉じて、上下の歯を少し離して鼻で呼吸するのが安静時の正しい状態です。

診療室から

最近の矯正治療は、ワイヤなどの装置を使った治療に加えて、「口腔筋機能療法」を併用することが多くなりました。筋肉などのアンバランスな状態を直さないと、せっかく装置を使ってきれいに並べ直した歯が、元に戻ることがあるからです。

口腔筋機能療法は、主に矯正歯科や小児歯科で行われています。うまく機能していないのはどの筋肉かを調べ、食べ方や飲み込み方のトレーニングを行います。時には装置による治療なしで歯並びが改善する場合もあります。

                               2009.6.25 中日新聞三重版掲載